クーリングオフ みなとみらい司法書士事務所***横浜
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◆ クーリングオフ制度

クーリングオフ制度とは
クーリングオフ制度の趣旨
訪問販売の場合のクーリングオフ制度
 (1)適用要件
 (2)行使方法
 (3)効果

 

クーリングオフとは

 クーリングオフとは、外形的な要件を備えた取引について、消費者から一方的な契約の会場を認めた制度である。クーリングオフ制度の特徴としては

@消費者からの一方的な解除を認めており、解除理由は問わないこと
A外形的な要件を備えていれば、適用があること
B清算方法が、簡単で厳格で、消費者に有利であること


が挙げられる。消費者契約より消費者が離脱するための解決手段として極めて有効な制度として利用されている。消費者が契約からの離脱を望む場合には、最も簡便で効果的な解決方法である。

 但し、クーリングオフの利用に当たっては、次のような制約があることも注意しなければならない。

  • クーリングオフ制度の適用があるものは、法律で定められた取引に限られていること。
     業界自主基準で定められている場合には、業界団体に所属している事業者であれば適用を主張する余地がある。また、個別の事業者によっては、契約上クーリングオフ制度を設けている場合があるので、契約書などを十分吟味する必要がある。いずれにしても、すべての消費者契約に適用があるわけではないので、注意が必要である。

  • 期間が短いこと
     訪問販売の場合は8日間、長いものでも連鎖販売取引の20日間というように極めて期間が短い。消費者契約でトラブルになって相談に来る多くのものは契約締結後数ヶ月経過してから、というものが最も多いといわれており、このようなケースでは後述するように消費者に交付された契約書の控えなどの記載事項に不備がある場合以外はクーリングオフができないことになる。

 

クーリングオフ制度の趣旨

 クーリングオフとは、消費者が契約の申込みをしたり契約の締結をした場合でも、一定期間に限って消費者に熟慮する期間を与えた制度である。一定期間内であれば、契約締結後であっても熟慮した上で必要ないと判断した場合には、消費者から一方的に契約の解除をすることができるとした。「クーリングオフ」とは、このように文字通り「頭を冷やして考え直す」機会を与えたものである。
 そのため、クーリングオフ期間の起算日は、契約の内容を明らかにした書面等(いわゆる契約書の控え、申込書の控え)を交付した日から起算すると定められている。これは、契約の具体的な内容を、書面で消費者に開示した日から、消費者は、客観的な契約の内容を知ることができる状況におかえれることになるので、ここから熟慮期間を計算するものとした制度趣旨である。
 クーリングオフ制度を法律で定めたものには、次の2種類がある。

@販売方法が不意打ち的であるもの
 例えば、訪問販売、電話勧誘販売

A契約内容が難解であり、消費者にとってリスクも高いもの
 例えば、連鎖販売取引、特定継続的役務提供、業務提供誘引販売取引、海外先物取引、現物まがい取引等。

 いずれも消費者に、契約についても具体的な情報を与えて熟慮機関を確保することにより、不適切な契約から消費者が離脱することができるようにしようとする配慮から設けられてものである。
 現在、法律でクーリングオフが認められているものは、特定商取引法所定の訪問販売、電話勧誘販売、連鎖販売取引、特定継続的役務提供、業務提供誘引販売取引が典型的なものである。

 

訪問販売の場合のクーリングオフ制度

 クーリングオフ制度の典型的なものは、特定取引法に定められている訪問販売に関するものである。それ以外のクーリングオフ制度では、適用要件やクーリングオフ期間の値がいはあるものの、基本的にはほぼ同様の考え方を取っている。
 そこで、ここではクーリングオフ制度の基本的処理方法を説明するために、訪問販売の場合のクーリングオフ制度と取り上げて紹介することにする。


(1)適用要件
 
 特定商取引法の訪問販売の要件を充たすものであり、クーリングオフ期間を経過していないものであることなどが必要である。以下に整理してみる。

 
(A)訪問販売による契約であること

 特定商取引法では、訪問販売とは、

 @営業所以外の場所での取引か、特定顧客取引であること
 A政令で定める指定商品、指定役務、指定権利にかかる取引であること

 と定義している。
 注意すべきことは、「営業所等」に該当するかどうかのポイントをきちんと押さえること、特定顧客取引の場合には営業所等における取引であっても適用対象となることである。
 したがて、取引をした場所の具体的な状況の把握と、その場所に出向いたのはなぜか、きちんと整理しておく必要がある。
 なお、特定商取引法の訪問販売に該当する取引であったも、(ア)乗用自動車についてはクーリングオフの制度の適用除外とされており、また、(イ)代金を支払って商品の引渡しを受け終わった、いわゆる「現金取引」の場合には、3000円以上の取引でないとクーリングオフの適用外となる。

(B)法定書面の交付の日から8日間を経過していないこと

 つまり、クーリングオフ期間が経過していないことである。
 法定書面とは、消費者が申込みをした場合には、申込みの内容を明らかにした書面、契約締結後には、契約の内容を明らかにした書面である。いずれも、法律で定めた記載事項(法定記載事項)のすべてについて記載されていることが必要である。
 虚偽の記載や記載の不備や欠落がある場合には、クーリングオフの起算日は到来しない。したがって、書面の交付がされていても、不備などがあれば8日を経過していてもクーリングオフをすることができることになる。

(C)政令で、使用するとクーリングオフそすることができなくなるものとして指定されている商品について(いわゆる「使用消耗品」、消費者被害で多く見られる典型的なものとしては、健康食品・化粧品がある)

@使用するとクーリングオフ期間内であってもクーリングオフをすることができなくなることが交付された契約書に明記されていること。
A消費者が自分の判断で使用していること
以上の要件を充たしている場合には、クーリングオフ期間内であってもクーリングオフをすることができなくなることとされている。
 逆にいえば、使用したらクーリングオフできなくなる商品として指定されていないものについては、クーリングオフ期間内であれば、使用していてもクーリングオフをすることができることとなっている。
 たとえば、羽毛布団・ステンレス鍋セット等では、消費者が使用し始めていても、クーリングオフ期間内であれば、クーリングオフをすることができることとなっているわけである。

 サービス取引(指定役務)指定権利に関する取引の場合には、サービスの提供がされていたり、消費者が権利の利用をしていても、クーリングオフ期間内であれば、クーリングオフをすることができる。
 シロアリ駆除サービスなどでは、クーリングオフを妨害するために、契約締結時にすみやかにサービスの提供を完了してしまい、後日、消費者がクーリングオフの行使すると「サービスの提供は完了しているので、クーリングオフはできない。料金は払ってもらう」などと主張するケースが見られる。しかし、このような言い分はまったく法的には認められない。
 さらに、消費者が一部の商品をクーリングオフ期間内に使用した場合に、どの範囲でクーリングオフができなくなるのかという点が問題となる。これは、同種の商品の通常の販売小売単位によるものとされる。化粧品であれば、単品一個ごとに販売しているのが通常の販売単位であるから、実際に使用したものだけについてクーリングオフができなくなるだけで、未使用の他の商品はックーリングオフをすることができるわけである。業者によっては、「うちの場合には、セット商品としてしか取り扱っていないので、セットのうちの一部でも使用したらすべての商品についてクーリングオフをすることができなくなる」と主張する場合もかつては見られた。しかし、「その事業者の販売単位」が判断単位になるのではなく、あくまでも「同種の商品の通常の販売単位による」という点に留意した処理が必要である。


(2)行使方法
 
 特定商取引法では、クーリングオフは書面で行うものと定めている。これは、クーリングオフが行使されたことを明確にするための趣旨であるとされている。
 最も確実な方法は、配達証明つき内容証明郵便を用いることである。
 書面によらないクーリングオフの効果については、どのように考えるべきか。消費者契約では、口頭や電話などによるクーリングオフの行使が少なくない。現代生活では、手紙などの文書を利用する場合よりも、電話などの手軽な方法によることが生活に定着しているためと、一方的な手紙では相手の態度がわからないために不確実で不安な感じがすることから、直接電話や口頭で伝えるほうが確実で安心な印象が強いと感じる人が多いためと思われる。
 クーリングオフ期間内に口頭でのみクーリングオフをしていた場合にクーリングオフの効力が争われた裁判例では、行使の事実が明白であることが証明できれば、法律でも、書面によることを効力要件とは定めていないことを理由とし、クーリングオフを有効とする判決がほぼ確立した判例とされている。
 口頭のクーリングオフを有効としたものに下記の裁判例がある。
 ◆福岡高判平成6年8月31日(判例時報1530号64頁)
 ◆広島高松江支判平成8年4月24日(消費者法ニュース29号57頁)


(3)効果

 クーリングオフを行うと、事業者の同意などは必要なく、当山に、一方的に契約は最初に遡って無条件で解除される。申込みの段階に留まっている場合には、無条件に撤回されたことになる。
 発信主義をとっているので、通知を発信した時点で効果が生ずる。この点は、民法の意思表示が到達主義をとっているのと異なっており、消費者に有利に定められている。つまり、クーリングオフ期間最終日の消印で通知書を送付すれば、事業者に到達するのが期間経過後であっても、有効なのである。
 なお、クーリングオフの場合の清算は、消費者保護の視点から徹底したものとされている。すなわち、いかなる名目にしろ、事業者は消費者に対する金銭請求はすることができない。すでに消費者から受け取った金員がある場合には、すみやかに全額を返還しなければならない。消費者が商品を使用していたり、サービスの提供を受けていた場合でも、事業者は一切の金銭請求はできない。これに反する特約を設けていた場合であっても、法律の定めにより消費者に不利な特約は無効とされる。
 こうした取扱いは、そもそもクーリングオフとは、取引が不意打ち的であることから消費者に対して冷静な状態で一定の期間は熟慮期間を確保しようとするものであるから、事業者がクーリングオフ期間内に商品の引渡しをすることなどにより熟慮期間を奪うことは認められないこと、クーリングオフ期間内の商品の提供などは不意打ち販売を行っている事業者のリスクにおいて行っているものと評価すべきものであること、などの視点から当然のものであるということができる。
 消費者に商品などが引き渡されていた場合には、事業者がすみやかに引き取るべき義務を負う。つまり、事業者の費用負担で引き取るように要求することができることとなっている。
 土地の工作物の原状に変更を加えるような役務提供契約の場合には、クーリングオフ期間内に役務の提供がされていた場合には、消費者から、事業者に対し原状回復請求権が認められている。消費者が原状回復を求めた場合には、事業者は自己の費用負担で原状回復をすべき義務を負う。
 なお、原状回復請求権は、消費者の権利して位置付けられているので、消費者は、相手の事業者に対して原状回復を求めるかどうかを事由に選択することができる。


 
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