◆ 民法による解決***公序良俗違反等による取消し
錯誤、詐欺、強迫などの無効、取消しなどが認められない場合であっても、全体として不当性が高い場合に、公序良俗違反を理由に契約を無効とした事例や、事業者からの請求を信義則違反を理由として認めなかった事例等がある。
公序良俗違反の典型例としては暴利行為があるが、それ以外でも原野商法、詐欺的利殖販売、ねずみ講など、取引の構造自体に詐欺的要素の強いものなどがある。
ただし、これらのいってみれば取引内容自体が詐欺的要素の強いものの場合には、詐欺行為を働くために外形的に会社組織を装い、社会問題となる会社をつぶして逃げてしまうというものが少なくない。
こうした場合には、契約自体を無効にしても、契約の相手方である会社は支払能力がないなどの実情にあるために、実質的な被害救済にはならない。
そのため最近では、この種の構造的な詐欺商法においてはむしろ不法行為による損害賠償請求の構成をとって、詐欺商法に関与した個人全員に対する責任を追及する方法をとることが多くなっている。
ただし、消費者が契約に基づく支払をする以前の段階であれば、公序良俗による契約無効の主張も被害救済のために十分意味があるものといえる。
参考裁判例
@原野商法
原野を訪問販売で長時間勧誘して時価に20倍で販売した事例
(名古屋地判昭和57年9月1日判例時報1067号85頁)
原野を買主の無知・無思慮に乗じて時価の27倍で販売した事例
(名古屋地判昭和63年7月22日判例時報1303号103頁)
Aマルチ・ネズミ講
天下一家の会長野ネズミ講事件
(長野地判昭和52年3月30日判例時報849号33頁)
豊田商事グループによるマルチ商法のベルギーダイヤモンド事件
(神戸簡判昭和60年8月28日判例タイムズ577号53頁)
いわゆる福井印鑑ネズミ講事件
(名古屋高金沢支判昭和62年8月31日判例時報1254号76頁)
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