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 錯誤による無効
 詐欺による取消
 強迫による取消
 説明義務違反
 公序良俗違反


 
 












◆ 民法による解決***強迫による取消し

(1)強迫の意義

 強迫による契約は、取消すことができる(民法97条1項)。
 強迫による取消が認められるためには、
@強迫して契約させようとする意思があること
A強迫行為があること

 強迫行為に該当するためには、取消しに値するだけの社会的違法性が必要であるとされる。この違法性の判断の際には、「強迫によって得ようとする利益が不正なものであるかどうか」「強迫の手段が不当かどうか」の2点を総合的に評価すべきものとされる。
B強迫行為と、消費者の意思表示との間に因果関係がること
 ただし、その因果関係は、強迫行為によって選択の自由を失うまでの必要はなく、表意者(意思表示をした消費者)が強迫行為の結果畏怖し、その結果意思表示をしたという因果関係が、主観的に存在していれば足りるものとされる(最判昭和33年7月1日民集11号160頁)


(2)消費者契約における強迫

 民法上の強迫に該当するためには、刑法上の強迫のように相手の意思を抑圧して判断力を奪うほどのものであることまでは必要とされていないが、相当の社会的違法性があることが必要とされることがポイントである
 消費者契約では、セールスマンが長時間居座ったとか、断っても分かってくれなかったなどの事情から、消費者がくたびれ果てて、あるいはどうしてよいかわからなくなって混乱して契約をしてしまう、とういうケースがまま見受けられる。あるいは、高齢の女性の一人暮らしなどのケースでは、屈強のセールスマンが上がりこんで長時間勧誘を続けたために、言動が脅迫的だったというわけではないが、威圧感をもって必要もないものを契約してしまった、などといったケースが少なくない。
 こうしたケースでは、消費者サイドは、「大変怖かった。脅迫だ」と主張する場合もあるが、この程度では、「相当の社会的違法性があるか」という点から難しい問題がある。
 この点、消費者契約法の「困惑類型」では、「退去妨害」か「不退去」の事実があれば、取消すことができるとしているので、大きな前進であるといえる。ただしこれは、「帰ってほしい」とか「帰りたい」という意思を言葉なり態度なりで示していることが必要とされるので、威圧されたり遠慮して言動でこうした意思を表明できなかった場合には、民法上の強迫による取消しを検討する必要があることになる。


(3)強迫による取消しを肯定した裁判例

 土地の所有権をめぐって争いがある当事者間で、土地の所有権移転登記手続きに関する和解契約が締結されたが、この和解契約が強迫によるものかどうかが争われた事案。
 和解契約が成立する10日間くらいの間、病気で寝込んでいた枕もとで執拗に商郵券移転登記手続に関する和解を強要しつづけた。そのため、血圧が上がり、意思から生命の危険があると告げられたため、このまま争いが続けば生命を失う恐れがあると考えて、和解に応じたという事項から、強迫による取消しを認めた。
 病気の相手方に執拗に迫るというやりかたが、手段における不当性が強く強迫に該当するとされたものである。

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