任意整理手続は特定調停手続と類似していますが、次の点で特定調停よりも有利な効果を上げることができます。
1.損害金のカットが可能
特定調停の場合は、最後の支払日から特定調停成立までの利息・遅延損害金を付す取り扱いをしているのが通常です。特定調停の申立から調停成立までは少なくとも1ヶ月半〜2ヶ月前後かかることを考えますと、その間の遅延損害金は大きな負担となります。また、取引履歴の開示が遅い業者に多くの遅延損害金が付される結果にもなりかねません。
それに対して任意整理の場合は、弁護士会の統一基準に基づき、原則として最後の取引日から利息・遅延損害金の一律カットによる交渉を行います。多くの場合は一律カットによる元本にて和解を成立させることが可能です。
2.債務名義化しない
特定調停の場合には、成立した調停調書は債務名義となりますので、支払を懈怠(通常2回)した場合には、調停調書に基づく強制執行が可能になります。
それに対し任意整理による和解契約は司法書士・弁護士による責任の下に行われますので、原則として債務名義化は行いません。代理人となる司法書士・弁護士が完済まで責任を持ち、返済を管理していくものであるからです。
ただ、返済期間が長期(4年〜5年)に渡る場合や、債務残高が高額になる場合には公正証書の作成を求められる場合もあります。
3.過払い金の回収も可能
過払い金が発生していたとしても、特定調停の場合には過払い金の回収を行うことまではされないのが現在の一般的な扱いです。調停成立後の過払い金返還訴訟にも難色を示す裁判所も多いことから、過払い金が発生している場合には特定調停の申立自体を行わず(申立後に過払い金の発生が判明した場合には取下げる)、過払い金返還訴訟を提起します。
それに対し任意整理の場合には、過払い金の返還交渉を平行して行い、他の債務に充当することが可能となります。